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北野 武

今まで数多くの国際映画祭に招待され、いろんな国へ行きましたが、いつも驚かされるのは映画の力です。映画祭の上映で初めて観た作品について、言葉も歴史も文化も異なる多くの人々が、文字通り国境を超えてそれぞれが感想を語り合い、また議論を交わしたりもします。アートの力、そして魅力というのはまさにそこにあると思います。私も絵を描くことが大好きで、この数年間に五百枚を越える作品を描き続けてきました。キャンバスに向かっているときは、ほんとに無我夢中で、嫌な事やつらい事を忘れることができる貴重な時間です。また描いた絵からイメージが膨らんで映画のストーリーが生まれたりもします。アートの世界では時として、一枚の絵画からインスパイアされて、新たに映像や詩また文学など、ジャンルを超えた作品に結晶され、新たなアートが生み出されることもあり、これもまたアートの奥深い魅力と力だと思います。
 私は美術館などで絵を見ることも大好きです。展示された作品の中には、それを描いた人の息づかいをその絵画から感じ取れることもあり、私はそんな時、それこそ時空をもこえて、その作品の作者と同じ空間でキャンバスに向かい合っているような気持ちになるのです。今回の2009アジア・パラアートTOKYOが、文字通り、国境をこえ、障害をこえ、多くの人々とアートとの素晴らしい出会いの場となることを期待し、ご成功される事を心よりお祈り申しあげます。

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